2024/09/01

海外のレビューサイトを見ても、Tangiersのレビューを全種類やってるところが無いので、一大事業として全種類レビューをすることにした。
とは言え、Tangiersは100種類以上フレーバーがあるし、季節限定のものや供給が安定しないものも多い。レビューをコンプリートできるか不安。
他のフレーバーのレビューの合間に、ちょっとずつ進めていこうと思う。
Tangiers Noirの概要
何気に10年以上前からあるダークリーフの老舗。
加工の何らかの工程で水の代わりに油性の物質を使っているらしいが、詳しくは分からなかった。
Noir、Birquq、F-Line、Burleyの4つのラインがある。特定の季節にしか出さないフレーバーがあり、それを含めると全部で100種類ちょっとある。パッケージは250gのみ。
Noirがスタンダードラインで、Birquqはニコチンがやや少なめのライン、F-Lineがニコチン少なめでカフェインが入ったライン、Burleyはバーレイ種のタバコの葉を使ったラインである。
入手性の問題や比較の観点から、レビューは全てNoirで行うことにした。
ちなみに、黄色いパッケージのものは通年あるフレーバーで、オレンジ色のパッケージのものは季節限定のフレーバーである。
注意点
パッケージにも書いてあるように、開封したら空気に晒す必要がある。
下の画像のように、空気と触れる面積が大きくなるように良くほぐして広げ、数時間ごとにかき混ぜつつ最低で半日ほど空気に晒す。個人的には丸一日ぐらい晒す方が無難だと思う。
空気に晒す時間が足りないと、後味に何か変なモッサリした香り(パッケージにはタバコっぽい香りあるいはダシ醤油のような香りと書いてある)がして、フレーバーの香りをかなり邪魔するので、この操作は入念に行った方が良い。
ちなみに、注意書きでは平らで浅い保存容器が推奨されている。自分が使っている容器は少し深すぎると思う。
もっとも、丸一日ほど空気に晒しているせいか、上の画像のような深めの容器でも問題は感じない。
ちなみに、300mlの容器で250gがピッタリ入るぐらいなので、それを目安にAmazonでより良い形のものを探すと良いだろう。
パッケージ
フレーバーは厚手のビニール袋の中にギチギチに詰められている。
それが説明書きの書かれた紙に包まれて、これまた厚手のビニール袋に入っている。
こんな感じ。
シロップの量とカット
シロップの量は少なめ。おおよそAFの50gのパッケージと同じか、それより少ないぐらい。
シロップの性状はAFとSBVの中間ぐらいで、割と粘稠度が高い。ダークリーフのフレーバーなので、色は黒い。
タバコの葉のカットは非常に良く、均一で細かめ。ごく稀に2cmほどの細い茎が入っているが、問題になることは無い。
左から、TFD、Tangiers Noir、AF 50gパッケージの順。
煙の質や量
Fumariのような過度なウェットさが無く、それでいてスムーズかつ非常にボリュームのある煙が出る。
煙の質は、FS CastroやSBVよりもウェットさが控えめで、割とソリッド。クドすぎない絶妙なウェットさだと思う。
煙の量もボリュームがあって良い。パッケージの注意書きで弱めの火加減で維持することが推奨されているが、弱めの火加減でもシッカリと煙が出る。
タバコ的に重い点では人を選ぶが、Birquqを選ぶなどすれば、煙の質のウェットさやボリュームなどのバランスは良い。
タバコ的な重さ
Noirはタバコ的にかなり重い。
Noirより重いフレーバーは、Nirvana、Lavoo Heritageぐらいではなかろうか。
BirquqはNoirより軽めで、TFDと同じぐらいの重さ。SBVと同じか、それよりわずかに重いぐらい。
普段からウォッシュドのフレーバーを中心に吸っている人はグッタリくると思うので、NoirよりBirquqをオススメする。
安定感や香りの持ち
フレーバーによって少し安定感にバラつきがあるが、基本的には扱いやすいフレーバーの方が多い。
パッケージで弱めの火加減が推奨されているように、多くのフレーバーは気持ち弱めの火加減で維持する方が調子が良い。
とはいえ、Kaloud Lotusで作った場合は多くのウォッシュドのフレーバーより安定感があり、そこそこ高熱に耐える。SBVやFS CastroやLavoo Heritageのような、かなりの高温に耐える安定感が抜群のものには流石に劣る。
香りの持ちは、他社の平均より少し長め。いくらか弱めの火加減で維持した方が調子が良いものが多いため、その影響もあると思う。
一部のフレーバーを除けば、弱めの火加減で維持するだけなので、そこまで火の調節は難しくない。
ベースの香り
ベースの香りは非常に強い。
青々とした下草を刈り取って、日向で半分ほど乾かしたような香り。
朽木のような少し甘い落ち着いた香りが多い他社のダークリーフと比べ、フレッシュで尖ったリーフの香りが強い。
香り自体は大きく異なるが、ダークリーフの香りの主張の強さの程度はFS Castroと同じかそれより強く、かなり存在感がある。
そのため、多くのフレーバーでどこかしらにTangiersだぞという主張を感じる。これは長所になることも、短所になることもある。
フレーバーの傾向
他社には見かけない香りが多く、どのフレーバーもベースの香り込みで作られている印象。非常に面白い。
ただし、ベースの香りが強いため、フレーバー自体の香りのインパクトが弱いものは、ベースの香りが勝ちすぎて全体の印象がボヤけていることが多い。
また、ベースの香りとの相性のせいか、甘さが控えめで有機的な香りのフローラル系やSpice系が他社よりも多く見られる。フローラル系やSpice系は各社から出ているが、どこも1~2種類程度だったりするため、このあたりが充実しているのも特徴的。
強いベースの香りのおかげで、やや素直さや馴染みの良さには欠けるが、ダークリーフに慣れ親しんでいるのであれば、有機的な感じが強く奥行きもあって楽しめる作り。
個人的には、何だかんだ楽しんでレビューしている。
作り方
作るのは簡単。必要なグラム数をややフンワリめに平らにして詰めるだけ。
使うボウルにもよるが、AFが10.0グラム入るボウルでは、9.0~9.5グラムぐらいで作ることが多い。
詰めようと思えばもっと詰められるが、9.0~9.5グラムでも煙と香りはシッカリ出るし、持ち時間も問題無い。何より多めに詰めるとタバコ的に重い。
カットが細かいので、自分でカットし直す必要は無い。また、開封後に空気に晒す作業で何度か掻き混ぜることになるため、既に良くほぐれている。
注意点としては、保存容器の中でも空気に触れていそうな表面あたりからすくい取ることぐらいか。
あとは、フレーバーの表面がKaloud Lotusの底やアルミホイルから4mmほど離れるように、ややフンワリめに平らにならして詰めれば良い。
どちらかと言うと、作り方より火の調節の方が重要だと思う。
火の調節
気持ち弱めの火加減で維持するだけなので、火の調節は難しくない。
ただ、生煮えだとノドに障る煙が出ることが多いので、維持は弱めの火加減だが、最初は少し強めの火加減で全体に熱を回すことを意識した方が失敗しにくい。
Coco Landの新品2ピースと補助の炭2ピースを入れたKaloud Lotusを乗せ、ファンを1/2ほど閉じた状態で5~7分ほど蒸らし、ゆっくりと吸って煙と香りの出の様子を見る。このへんの蒸らし時間は室温に少し左右される。
煙と香りが本調子の7~8割ぐらいになったあたりでKaloud Lotusをどけて中のフレーバーをひっくり返し、ファンを全開の状態でかぶせる。この状態で2~3度ゆっくり吸うと、煙が本調子になることが多いと思う。足りないようであれば、少しファンを閉じて吸ってみる。
パッケージの注意書きで弱めの火加減で維持することが推奨されており、確かにその方が調子が良い。具体的には、煙と香りが本調子になってからの最初の20分は、SBやAB Originalのようなウォッシュドのフレーバーと同じか、それより少し弱いぐらいの火加減。
そのため、煙が本調子になってから最初の20分ぐらいは、Kaloud Lotusのファンは全開で吸うのが無難。フレーバーによってはファンをどけた状態でも良かった。こうすることで、タバコ的な重さをセーブすることもできる。
20分ぐらい経ったあたりで中のフレーバーをひっくり返す作業をして、Kaloud Lotusのファンを全開~1/3ほど閉じた状態で乗せ、そこから徐々に閉じていくと良いだろう。このへんは好みの問題なので好みに合わせてやれば良い。
個人的な感想
何だかんだ楽しんでレビューしている。他社には見かけない香りが多くて面白い。
ベースの香りが他社のダークリーフのフレーバーと比べて独特かつ強めで、どのフレーバーもそれを活かすような作りになっている。そのため、他社のフレーバーよりも有機的な奥行きやナチュラルな風合いが非常に強い。
もっとも、このベースの香り自体に結構なクセがあり、どのフレーバーからも何処かしらにTangiersのフレーバーだぞ、という主張を感じる。また、Noirラインはタバコ的にかなり重い点などから、やはり吸う人を選ぶと思う。250gのパッケージしか無いのもネックである。
それでも、タバコ的な重さは序盤を弱めの火加減で維持することなどで多少なんとかなるし、まだ20種類ぐらいしか試していないが割とアタリがある印象。
BirquqラインはSBVと同じぐらいの重さなので、気になるフレーバーがあるのなら、Birquqラインで買ってみるのも良いと思う。