シーシャ・水タバコのフレーバーやボウルのレビューブログ byダビデ

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室温や湿度などが嗅覚やシーシャの香りに及ぼす影響について

time 2016/06/12

室温や湿度などが嗅覚やシーシャの香りに及ぼす影響について

そろそろ梅雨が近づいてきて、気温と湿度が高くなってきた。
Twitterのタイムラインに「湿度が高くなるとシーシャの香りが変わる」というツイートが流れてきた。
自分もこれに関しては常々思う部分があったので、ちょっと色々と調べてみた。今回はそれについて書こうと思う。
ややこしい記事になってしまったので、面倒だったら太字の部分だけ読んでほしい。主旨は伝わるはずである。

いずれの文献もn数が少なく、methodも統一されていなかった。
15個前後の文献を読み、それを門外漢の自分がまとめただけのものなので、話半分に読んでほしい
ちなみに、部屋などの空間の香りと直接吸い込む香りとでは結果が全く異なるので、興味があるなら後者を扱った文献を探すことをオススメする。 
 
 
【個人的な結論】
結論から書くと、多湿の時期のフレーバーの保存にだけ気をつければ良い
理由は、室温や湿度が煙と香りに与える影響は無視できる程度に少なく、最も嗅覚に影響するのは香り物質の濃度だからである
ほとんど全ての文献で、温度と湿度が高い方が香りを感じやすいが、それ以上に香り物質の濃さが強く影響すると結論付けられている。

【嗅覚について】
鼻の奥には鼻腔という空間があり、そこの天井部分に嗅覚細胞が存在する。この嗅覚細胞に発現する嗅覚受容体に香り物質が付着すると信号が脳に送られ、香りを感じる。
ちなみに、嗅覚受容体は400種類ほどあり、それぞれが分子構造の似た香り物質 数種類~数百種類に反応する。これによって人は数万種類以上ある香り物質を感知している。
ただし、どの嗅覚受容体が発現するかは先天的要因と後天的要因で決まるため、全ての人に全ての受容体が発現しているわけではない。そのため、健常人であってもメジャーな受容体が発現していないと、特定の香りを感知できないことがある。
また、受容体の発現に問題が無くとも、感受性の強弱は人によって異なり、環境や体調などによる精神状態にも大きく影響される。

【香りの感じ方について】
香りの感じ方には2種類ある。
1つ目は鼻からの呼吸を介して空気中の香り物質を感知する方法(たち香)、2つ目は飲食物や煙など口の側から香り物質を感知する方法(あと香)である。シーシャは後者のあと香である。
また、シーシャは煙であるため、香りを感じるタイミングが吸うときと吐くときの2回ある。
煙は口から入ってくるため、煙を吐くときの方が鼻腔の奥にある嗅覚細胞との接触が多い。そのため、シーシャの香りは煙を吐くときがメインである、ただし、Mint系の清涼感などは、あと香よりもたち香の方が主体なように感じるので、このあたりは少しフレーバーによりけりだと思う。
さらに、鼻腔内での空気の乱流があった方が、人は香り物質を感知しやすい。これについては以下の香りを濃く感じるためにの項に書いた。

【温度と湿度、香り物質の濃度について】
シーシャの煙自体が多湿であり水も通す。
また、室温を無視できる高温で熱した後に、水温と体温で煙がほぼ一定の温度になる。
以上の2点と、嗅覚に強い影響を与えるのが香り物質の濃度である点から、温湿度の影響は無視できる程度に少ないと考えた

【香り物質の濃さとグリセリンの性質について】
グリセリンには大気中の水分を吸着する性質がある。
実際、フレーバーを取り分けた小鉢を洗わずに放置しておくと、湿度が高い日などは翌日に小鉢に残ったグリセリンがサラサラになってカサを増している。
そのため、多湿の時期などは、保存方法が悪いとグリセリンが大気中から吸湿してフレーバーの水分量が増える。そして、これによってボウルから揮発してくる香り物質の濃度が下がる可能性がある
これを部屋の温湿度より香り物質の濃度の方が嗅覚に強く影響することも併せて考えると、湿度が高い時期はフレーバーの保存に気をつける必要がある
なお、極端な低湿環境での保存もやめた方が良い。水分が抜ける際に香り物質も一緒に揮発して濃度が下がると思われるし、そもそもフレーバーが乾燥すると煙の質が悪くなる。

【香りを濃く感じるために】
香りの感じ方についての項で書いたが、鼻腔内での乱流があった方が人は香り物質を感知しやすい
ありがたいことに、これは煙の吐き方で意図的に操作することができる。
具体的には、口と鼻の両方から煙を吐く、鼻穴や鼻の奥を開いて煙を吐く、上顎に舌先をつけて煙を吐くなどである。
何の香りか分からないとき、無意識に上記のような煙の吐き方をしている人も多いのではないかと思う。
いずれも間抜けな感じがするが、実際に試してみると明らかな違いを感じる。上記のように煙を吐くのと、鼻をつまんで煙を吐くのとでは、香りの感じ方が驚くほど違う。

【余談とか】
個人的には最初に思っていたのとは少し違ったが、これまでの経験と照らし合わせても、色々と納得のいく結論が得られた。
とはいえ、信憑性に欠ける文献ばかりで(文献側の問題でなく、嗅覚が複雑なため人工的に再現できず、主観的な測定方法に頼らなくてはならないのが理由)、更にそれを門外漢の自分がまとめたものなので、どうか話半分に読んで欲しい。

あと、自分は貧血でもないのに氷をボリボリ食べるクセがあるのだが、これによって口中の温度が下がって香り物質への感度が悪くなっている可能性があると思った。
ただ、これについて言及している文献では、口中や鼻腔の温度は嗅覚に有意な影響を及ぼさないと結論付けられていた。良かった。
これまでのレビューの精度に疑問が生じてくるので、影響していたら危なかった。念のため、これからは控えようと思う。

また、保冷剤で煙を冷却するタイプの吸口も、たち香の感度を悪くする可能性があると思った。
ただ、シーシャはあと香がメインであり、あと香は体温によって均一な温度になっていると思われる。そのため、Mint系などのたち香が重要なフレーバーでなければ、大きな影響は無い気がする。
一方で、吸い口の中で温度が下がって、煙の中の水蒸気が香り物質と一緒に結露するのであれば、最も嗅覚に影響する香り物質の濃度が下がるため、香りを薄く感じるようになる可能性もある。
今までもこれからもレビューの際には使わないが、個人的には夏向けの良いアイテムだと思っている。

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