2024/04/23
7種類ほどSB Serpentのフレーバーを試したので、ザックリした特徴について書こうと思う。
まだ個々のレビューは書けていないので、出来上がり次第アップする。
SB Serpentの概要
2017年10月に発売された、ダークリーフを使ったフレーバー。
タバコの葉をKettle Fire Curedという方法で乾燥させているのが特徴。
Kettle Fire Curedは、上の画像のAの部分にタバコの葉を吊るし、Bの部分で焚き火をして乾燥させる方法。Aの部分の底面には穴が開いている。
器機全体が金属で出来ているため熱伝導が良く、タバコの葉が早く乾燥する。これによりタバコの風味を損ねず、また焚き火によるスモーキーな香りが乗るのが特徴。とのこと。
ちなみに、AB KFCを除く多くのダークリーフは、Dark Air Curedという方法でタバコの葉を乾燥させていると思う。
Dark Air Curedは大きなオーブンのようなものの中にタバコの葉を積み乾燥させる方法で、やや乾燥に時間がかかるため、葉が少し醗酵しチョコレートやコニャックのような香りが乗るのが特徴。とのこと。
パッケージ
縦長のジップロック袋の中に、やや薄めのビニール袋で包まれたフレーバーが入っている。
今のところ、シロップ漏れなどは無く、割とパッケージはシッカリしている。下の画像のような感じ。パッケージの一覧はこちらの記事を参照。
裏面には「Phunnel系のボウルで少し圧縮めに詰めることを強く推奨」「バーレイ種のダークリーフ、人工蜂蜜、モラセス、ベジタブルグリセリン、天然香料と人工香料とかが入ってる」「喫煙は体に悪い」みたいなことが書いてある。あとは、Made in USAとか、SBの公式HPのアドレスとか。
ちなみに、人工蜂蜜は生のハチミツを酸加水分解してスターチなどで粘稠度を調整したもの。そこらへんで売ってるハチミツは、だいたいこれ。
モラセスは、サトウキビなどの原料糖から不純物を取り除いたもので、上白糖の前段階。厳密には違うが、薄めた黒蜜のようなもの。
シロップの量とカット
シロップの量はそれなり。AFよりは少し多いが、SBVやFumariよりは少ない。
シロップの性状はSBVと似ている。AFよりは少しサラッとしており、色は茶褐色~黒褐色。
カットは細かく均一。おおよそ1.5mm角で、大きな茎などは入っていない。非常に良いカットだと思う。
左から、AF 50gパッケージ、SB Serpent、Fumariの順。
煙の量や質
きめ細かくスムーズで、ややウェットな煙。煙の量も良い。
SBVから少しモッタリしたウェットさを減らしたような煙で、TFDの煙と似ている。タバコ的な重さがあるので吸いごたえには満足感がある。
個人的には、FumariやFS Castroよりも過度なウェットさが無く煙の質がクドくなくて良かった。ただ、このあたりは好みの問題。
クドくなりすぎない調度良いウェットさ。最近の流行に良く乗った煙だと思う。
タバコ的な重さ
SBVの1.2倍ぐらいの重さ、TFDと同じぐらいの重さだと思う。
重い順に並べると、Nirvana>>Tangiers Noir>FS Castro>>これ=TFD=Lavooの白いボトル>SBV>AB Stout=AF>>Fumari、こんな順。
普段からSBVやTFDなどを吸っているのであれば、シックリくる重さだと思う。Fumariあたりを吸うことが多い人だと、ちょっと重さでグッタリする可能性が高い。
安定感や香りの持ち
安定感は問題無い。SBVやLavoo Heritageのような安定感が抜群のものには少し劣るが、基本的に火の調節で苦労することは少ない。
香りの持ちは他社のダークリーフのフレーバーと同じぐらい。普通。
幾つかのフレーバーはダークリーフの香りありきで作られている印象で、フレーバー自体の香りが薄めだったりする。それらのフレーバー自体の香りの持ちは短めだが、それでもダークリーフの香りは長く続くため、トータルで見ると持ちは普通なのかな、と思う。
フレーバーの傾向
SBVと比べるとダークリーフの香りを強く前面に押し出しており、それありきの作りのフレーバーが多い印象。
特に、Skull、Kathmandu、Sting Mintあたりは、ダークリーフの香りをメインに作られていると感じた。その他も、紅茶系、Spice系、マッタリめのフルーツ系と、ダークリーフの香りとの相性が良いものが多い。
ダークリーフによるベースの香りは、スモーキーな香りと枯草のような香りといった感じで、甘さ控えめでマニッシュ。
TangiersやFS Castro’sのような強い土臭さやearthyなテイストは無く、AB KFCのような少し甘めの良く乾いた香りの良い木材のような香りとも違う。
TangiersやFS Castro’sよりは主張が控えめだが、SBVやAlchemistと比べるとダークリーフの香りがハッキリしている。
スモーキーな香りがある点でいくらか好き嫌いが分かれる気もするが、TangiersやFS Castro’sのような強いクセは無いと思う。また、この香りのおかげでケミカルさが抑えられている。
個人的な感想
ダークリーフの香りにスモーキーな感じがあり、他社のものと大きく異なるのが面白い。
また、扱いやすさも良い。カットが良いので自分でハサミでカットし直す必要が無く、今のところ火の調節が難しいものなども無い。
ただ、幾つかのフレーバーはダークリーフの香りが強いせいで、フレーバー自体の香りが何か分かりづらい。このあたりは、ダークリーフの香りをメインで楽しめるか否かで、やや好みが分かれそうだと思う。
個人的な意見だが、SBVの発売以降、SBのフレーバーから悪い意味でのSBらしさが無くなってきたと思っており、今後もこれやSBVのような路線で頑張ってほしいな、とか思っている。
SBVやAB KFCが好きであれば、楽しめると思う。それなりにアタリがありそうな予感がする。